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そう告げると、まだ不安げな表情と共に、啓太君は控えめにその小さな小指を差し出してきた。
「また、まーちゃんと会える?約束してくれる?」
これに俺は少し戸惑ってしまった。
また会える確証がないからだ。
彼との約束は破りたくないと、勝手に思ってしまっていた。
でも、約束をしないことの方が彼を傷つけてしまう気がして。
俺は、ゆっくり自分の小指を差し出して、彼の指と絡ませた。
「…うん、また会おうな、約束だ。」
彼は、少し空元気の入った笑顔を見せると、小指に、ぎゅっと力を込めた。
「「指切りげんまん、嘘ついたら針千本の~ますっ、指切った」」
その日、彼はあの目を見開き、口角をこれでもかとあげる、あの笑顔を浮かべてから公園を後にした。
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