2:出会いは突然に

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同じバイトの女子を送り出すと、落ち着いた色彩の店内には俺と白髪が似合う紳士な店長だけになった。 店内には、窓際の席に男の子を連れた三十代と思われる常連の女性が、反対側の壁に隣接した席には質の良さそうなスーツに身を包んだ男性二人組が思い思いに休息をとっていた。 (………なんで、毎回肩を叩いていくんだ…?) 最近なぜか頻繁にシフトが同じになる、さっき帰っていった大学生の綾瀬さん。 最近やたらと触って来たり、近づいて来たり、正直言って鬱陶しい。 (……やめてくれないかなぁ…) はぁ、と一つ溜息をつくと、突然ガシャンッという音と、子供の泣き声が店内に響いた。
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