2:出会いは突然に

4/9
前へ
/74ページ
次へ
音がした方に目を向けると、オレンジジュースが入っていたグラスが床で割れ、四、五歳くらいの男の子が泣き出していた。 「清水君、雑巾とゴム手袋、塵取りを持ってきますので、男の子の方をお願いします。」 「はい」 俺は、戸惑っている常連さんの席に駆け寄った。 「大丈夫ですか?お怪我はされていませんか?」 「あぁ、清水君……ごめんなさい、グラスを割ってしまって……私もこの子も怪我はしていないわ」 「そうですか、よかったです。今片付けるので少々お待ちください。」 (先ずは、この子が何で泣いているのかを知らないと……) 泣いている男の子と目線を合わせ、少しゆっくり喋ることを意識して会話をする。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加