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「おいで。」
と手を広げれば、俺の腕の中に収まってくれた。そのまま抱き上げて、頭を撫で続けた。
すると、数分後には泣き止んでくれた。
「泣き止んだな、偉いぞ。 オレンジジュース、また持ってくるな。」
そう言ってまた席に座らせる。
落ち着かせている途中でお母さんの方から代わりのオレンジジュースをもう一つ頼まれていたので、急いでオレンジジュースを持ってきた。
「お父さん、早く来るといいな。」
そう、問いかけるとまたコクコクと頷いてくれ、彼はオレンジジュースを黙々と飲み始めた。
ふと窓の外を見ると、見慣れた男性が一人、走ってこちらに向かってきている。
「お父さん、もう直ぐ来るぞ。3、2、1……」
カランコロン
客用の入り口の扉に設置されたドアベルがいつもより少し激しく鳴る。
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