2:出会いは突然に

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「いらっしゃいませ、こちらで待ち合わせの方ですか?」 「はい、そうです!」 「パパ!!」 男の子は男性に駆け寄っていった。 その姿を見て、常連さんはホッとしている様子だ。 「お会計、お願いしてもいいかしら?」 「はい、こちらへどうぞ。」 早く帰りたいだろうと思い、できるだけ素早く会計をすませると、常連さんが笑顔でこう言ってくれた。 「清水君のお陰で助かったわ。ありがとうね。」 「いえ、また来て頂きたので。」 「えぇ、また来るわ。ほら、真翔君にバイバイは?」 「お兄ちゃん、バイバイ。」 まだ赤くなっている目で俺を見上げ、父親と繋いでいない方の手で、小さく手を振ってくれた。 「バイバイ」 俺も、屈んで手を振る。 三人は仲良く手を繋いで帰って行った。
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