2:出会いは突然に

9/9
前へ
/74ページ
次へ
「元々、ここの住みなのかな?」 「いえ、上京して来ました。」 「一人暮らしをしているのかな?自炊は?」 「一人暮らしです。自炊はほぼ毎日してますが?」 「掃除、洗濯は?」 「………自分でやってますが?」 (………本当に何なんだ?この人……) 質問の意図が読めないでいると、何故か突然ニコニコと笑顔を浮かべた。 (えっ?………なに…?) 「君、バイトを増やす気はないかい?」 「…バイトをですか?」 まだ少し時間に余裕はあるし、将来のために貯金はしたいからやってもいいけど、内容によるな……と思っていると、また俺の考えている事を察したのか畳み掛けてきた。 「俺の家の家政婦兼ベビーシッターのような事をやって欲しいんだ。」 「……はぁ……」 「ここのバイトは何時に終わるのかな?そのあと予定は?」 「…あと一時間で終わりですけど……この後の予定は特には……」 「よし、じゃあ、早速で悪いんだけれど、この後、ウチに来てくれないかな?そこで詳しく話そう。」 「…………はい……」 なんというか、里見さんの気迫に押されて、訳のわからないまま、家にお邪魔する約束をさせられてしまった。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加