1:小さな出会い、大きな別れ

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「清水ーえび先が呼んでるぞー」 「…わかったー」 清水 真翔(シミズマコト)、十五歳。 成績、中の上。運動神経、中の下。見た目、中の中、だと思う。 というどこにでもいる普通の男子中学生だ。 えび先こと、体育教師で担任の蛯原先生に呼び出され、小会議室で面談中。 「清水、お前宮高狙いだっただろ。このままじゃ、ちょっとヤバいぞ。」 「…はい………」 これは、成績のことを言っているのではなく、欠席日数のことを言っている。 夏休み前だというのに、俺の欠席日数は十日を超えている。 「このまま、欠席日数が増えると、宮高どころか、全日制高校は難しくなるぞ。」 「……はい……」
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