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寝台(ベッド)に横たわる少年のはだかの痩躯が大きく痙攣すると、それを覆っていた黄金色(こがねいろ)膠化体(ゲル)漿(ゾル)状となり寝台からゆっくりとすべり降りてゆく。 床に到達するとそれは、徐々に四つ足の黒い獣のすがたを成していった。 「おまえには悪いと思っている」 気だるげに四肢を投げ出したまま、いつの間にか目を開けた少年がかすれる声でつぶやいた。 視線は虚空を見ている。 「おまえたちは、こんなことをするためにいるわけではあるまいに」 「あなたの御心にかなうようにお仕えすることが、私の務めです」 少年の言葉に、黒い獣は人の声で応じた。 「そうだ。おまえは、おれの命令に逆らえない」 少年は目を閉じる。 「だがどうか、嫌なら正直にそう言ってくれ」 「我々はあなたに嘘を吐きません」 「そうか」 「はい」 「ならよいのだが」 「お休みください、ご主人(ルカー)様。あなたはお疲れです」 「――ああ。眠るよ」 「おやすみなさい」 黒い獣は静かにその場をあとにした。 *** 宇宙の辺境、とある中くらいの棒渦巻銀河の端のほうに、ふたごのように隣り合った星があった。     
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