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プツリ、。
牙に刺された舌から、ジワリ、ジワリと甘ったるい血液が口一杯に溢れ出す。
「ゥ、んふッ、ふッ」
刺した牙は自分のもの。刺された舌は、レキトの舌。溢れ出す血液は、多分、さっきレキトが吸った、血液。それは久々に感じる吸血鬼としての食事。レキトの舌を、夢中で絡めて、意に反して体が求めて吸ってしまう。
「ハ、は、ッァん、や、んゃ、」
「……美味いのだろ?もっと吸っていい……」
「ゃだ、……ッぃやだ」
「……あぁ、成る程、本当の理由はこれか」
吸血し、体に血が通う度に腰がジン、とする。それをどうにかしたくて、腰をくねらせるけど、どうにもならない。もどかしくて仕方無く、またレキトの唇に吸い付き、舌を吸い出してから、両手をズボンに這わせてベルトを外す。
窮屈で、仕方がない。前を寛げて何も考えられずに布越しに必死で性器を擦る。だが片手でレキトに止められて呻いた。
「吸血する度に興奮するのか」
「ぅ、ひ、うるさい、違う、違う、」
「吸血した相手ではなく、自分が……それはさぞ苦労する体質だろうな」
「も、嫌だ、ッ離せ、レキト、」
「ダメだ……もっと飲んでいいのだぞ」
「んぁ、んク、ン、ャ、ッ」
抗えない。だって、あまりにも、美味しい。突き出された舌から落ち行く血液を口を開けて迎え入れるのだ。雛鳥みたいに、求めて、唇を塞いだ。
だが、そうしてる間に景色が変わっている事にも気付かず、引き寄せられた腰にゴリゴリと相手の物が擦り付けられている事さえ気にも止めず、血塗れの長いキスはレキトが唇を俺の首筋に這わした事で途切れた。
そしてその時やっと、自分がレキトの部屋のベッドに押し倒されている現実を把握した。
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