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それから、よくよく見れば、あちこちに赤く二ヶ所ずつ痕が付いている。それを見て、やっと今の状況を思い出して全身真っ赤に染まった。
挿入は無いにしても、全身を撫でられて、舐められ吸われて肌を擦り合わせて快楽を貪った……どう考えても、俺はレキトと致してしまったとしか。
「不純、だ……」
なんて事だ。思わず顔を両手で覆う。
非常にかなりとてつもなく、不純だ!しかもアイツ、俺をドラッグ呼ばわりしやがった。最低だ。
どうしてこんな事に。メソメソしながら鳴っている着信音を探せばベッドの下にあった。ベッド上から屈んで手に持てば、画面には大きく、社長の二文字。若干冷や汗が出て、けど急いで画面をタッチしようとした。
「、、あ!」
「……」
ヒョイと後ろから伸びた手に携帯を取られて掠れた声を上げる。振り向けばズボンにシャツを羽織っただけのレキトが立っていた。そして無慈悲に電話を切られる。
「おい、!なに、して、」
「そんな声で電話など出来まい」
「ふざ、けんな!かえせ」
「ふ……良い格好だな?七也」
「、なまえで、よぶな、」
面白そうにニヤけたかと思えば、携帯を後ろに放り投げられた。それを気にしていたのも束の間、ベッドに乗り上げてきた見た目だけは男前の吸血鬼を目に捕らえて咄嗟にシーツを引っ掴んで壁を作った。
それを見て何故か更に笑い出す奴に、こっちは好き放題されて挙げ句怯えるハメになっている事に腹が立ってくる。
「ごーかん、だぞレキト!うったえてやる!」
「ふ、くく、……、人間の警察なんかに捕まると思うのか?私が」
「けいさつ、なめんな……おい、近寄るなっ」
「そう逃げるな、これからは私専用なのだ、昨日は少し無茶をしたからな……体を見せろ」
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