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「通信能力があります」
「妨害されることもあるかもしれない」
「そうですね。しかしそういう機能はないと思いますが、あとで一応ディヴァーギルに聞いてみましょう」
「そうしよう」
ルカーは口を開け、舌の上にのせた黄金の膠化体のかけらを見せた。
「戻っていい」
その言葉を合図にそれは煌めくの糸をさかのぼり、ナディーラの舌の一部に戻った。
夜行性の生物の調査を終え、宇宙艇に戻る。
そこでは未だ、ディヴァーギルの指揮下でディたちが掃除をしていた。竜の精液というのはなかなかやっかいな汚れのようだ。
とはいえ作業の遅れもなく、予定通り明日にはセジェンダの観測塔へ戻れるそうだが、今夜は宇宙艇の外で寝ることになった。
野宿だ。ルカーは、ただの人であったころも野営訓練すらしたことがなかったので、実はひそかにすこしわくわくしていた。
外に寝るとなると、この保護地域には地味に虫も多いことだけはやや難点だったが。
ナディーラが宇宙艇の中から簡単な寝具を持ち出して、あるじの寝床をととのえた。
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