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と、元ミリナイ人の感覚を持つルカーは言った。 竜というものは、ミリナイ人の間ではお伽噺や伝説に登場する架空の生き物にすぎなかった。 『古代、まだ人類の繁栄する前のミリナイには数多く存在した。星の環境の変化により絶滅してしまい、現在は物語に語られるのみとなっているが、架空の生物ではない』 「恐竜とは違うのか?」 『恐竜は火炎を吐かないだろう? 彼らは火を吹き、空を飛び、恐竜よりも高い知能を有している』 「なるほど。それはたしかにすこし違う」 『古代の生物の中ではかなり知能が高いことも手伝い、それを愛好するネファヴィリーも少なくはなかったのだが』 「まさか勝手に保護していたとは、か。ずいぶん人くさい行動だな」 「ネファヴィリーにも個体差がありますからね。初代も、中でもずいぶん変わった方だったようですし」 『個体差というものはなんにでもあるものだ』 ナディーラの台詞に応えるディヴァーギルの声は、いつもよりわずかに渋いように思えた。 初代の話をすることは禁忌(タブー)というわけではなかったが、ディヴァーギルはなぜか苦手そうだった。 「しかし、そんな広い地域の異常をまるまる始末するとなると、秘密裏に行うのは難しいのではないのか?」     
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