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『こちらはディを何体か置いていってもらえればよい。ルカーは予定どおり、この地域の生物の現在の生態を調査をし、動力の回収に努めろ』
「了解した」
ディヴァーギルの言に従い、ルカーは保護地域の状態を調査するため密林に入った。
宇宙艇の清掃に残らなかったディたちはすでに保護地域のあちこちへ散らばって行った。
ルカーとナディーラ、そしてディたちはそれぞれ調査用の計器を身につけて歩き回り、保護地域の生態が、以前ネファヴィリーたちが観測したときとどう変わっているのか、もしくは変わっていないのかを詳しく計測する。
この保護地域の“閉鎖”はすでに決定事項だが、もしこの数万年の間に珍しい進化を遂げた生物がいたらサンプルを回収することにもなっていた。
サンプルは、ディヴァーギルに持たされた小さな回収容器に入れる。相手の生死は問わなかった。
そうして収集された情報は、ディヴァーギルが整理し、保存する。
黒い獣のままでは姿勢の低いナディーラは、発情期の竜にメスに間違われないよう人型をとることにした。
さすがに背が高く二足歩行のものを見間違えたりはしまい。確信はなかったが、そうでなくてはナディーラだけでなくルカーも彼らにわずらわされることになるため、そうであることを願った。
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