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見知らぬ人影があった。 他の場所ならばいざ知らず、よもやこの観測塔の中に見知らぬものがあるというのは奇妙である。 背の高い、三、四十代の男性のように見えた。 しかし青い肌と白金の髪は、ミリナイ人のものとは違う。 そしてその印象的なしろがねの瞳も、まるで人類のものではなかった。 「ジーネゥ」 「おはよう、ルカー」 ルカーの呼びかけに振り向いた“彼”は、穏やかに挨拶をした。 物理的に発せられたようなその声も、いくらかいつもの威圧的な重みがやわらいでいる。 「おはようございます。如何したんです、そのすがたは」 「ディヴァーギルがうるさいのでな。干渉しないようこちら側に出てきてやったのだ。いくらかこうしていてやれば、そのうちあれの機嫌も直ろう」 「お気遣い感謝します」 「ウム。あれが正常に働いておらなければおまえも困るであろう、家主殿」 「はい。しかし、人のかたちとは思いきりましたね」 「せっかくだ。おまえに近いようにしてみたのだ。気に入らぬかね?」 「いいえ。ミリナイ人とはたいぶ違うようですが、とてもすてきです」 「ああ。おまえのような象牙色の肌も佳いが、儂には似つかわしくないのでな」     
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