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今日も今日とて、遺物の回収の任務があった。 それ自体は大して問題のない仕事だった。 山奥に落っこちていたそれを、拾ってくるだけの簡単な作業だ。 たったひとつ、手のひらサイズの小さな遺物だった。 人手もいらないし、力もいらない。近隣住民ともめるような危険もない。 それは、人里離れたちいさな滝の裏に隠れるように落ちていた。 回収するためにミリナイに降りるルカーにナディーラがついて行ったのも、ただいつもの習慣といったていどの理由だった。 遺物の回収は、ほとんど問題なく終わった。 ただひとつ、ほんのちいさな問題を除いては。 ルカーが触れた瞬間、その遺物は発動し、その力をルカーに対して発揮した。 結果、ルカーは幼い女児のすがたになった。 「なぜ女児なのだ」 7歳児ほどの幼女が、眉をしかめ、舌たらずの口調で言った。 遺物の力で幼子のすがたと化したルカーである。 暗褐色の髪と青い瞳は彼のままだが、身長は三分の二以下になり、あきらかに女子だった。 いつもの服は寸法(サイズ)があわなかったので、今着ているのはディヴァーギルが急遽新たにしつらえた筒型衣だ。 ついさきほど、医務室で検査を終えたところだった。     
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