アルファベータ

第1章 【f】

「レイ、礼拝の時間よ、降りて来なさい！」

「ああ、今行く。」

そう聞こえると二階から茶色に白が混じったような髪、真っ白な肌に、まるでアイラインでも引いているかのような目鼻立ちがくっきりとした青年が降りてきて、降りてきた方とは真逆のリビングの隅の方を向き跪いた。

そうすると、その場にいた父親、母親が共に並んで跪き、頭を下げた。