第1章 【f】

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一風変わった光景だが、これはイグニス教信者が行う1日に3回行われる礼拝である。 向く方角は預言者であるモスパの生まれた聖地サカエの方角と厳しく決められている。 3分ほど経つと、その場を立ち一礼した。 そして始めて食卓に料理が並ぶ。 今日は肉汁のないソーセージと冷たいパンケーキ。この地域では一般的な朝食だ。 「レイ、今日は何の訓練だ?」 鼻に特徴的な傷跡のある父親が聞いた。 「父さんが思ってるような大掛かりな訓練ではないよ、いつもの槍練に射撃の練習、それが終わったら異教徒の輸送の手伝いかな。」 「そうか。」 「・・・・・・・。」 「レイ、くれぐれも奴隷には気をつけるのよ。まだこの国を制圧なさってから日が浅いから、まだ刃向かってくる野蛮な異教徒もいると聞くわ。」 「わかってるよ。」 そう言うと少し不機嫌そうに席を立ち玄関に向かう。 「行ってきます。」
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