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「贈りたい方でも居られるのかと思いましたので」
気遣い・・・か・・・。
だが、しかし・・・。
俺は柔く微笑むその男を睨め付けた。
それと同時にその男はその柔い微笑みを消し、じりりと身構えた。
なるほど・・・。
「暗愚ではないな」
俺はそう呟いて小さな溜め息を吐き出し、目を閉じた。
「殺気立たれたら誰でも身構えますよ。それが・・・人でないならなおのこと」
人でないならなおのこと・・・か・・・。
「それをわかっていながら俺と関わるあたりは暗愚だな」
「そうかもしれませんね」
その男はそう言うとまた微笑んで腕に付けている何かへと目を向けた。
それはカチカチと音を発していたが悪いモノではないようだった。
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