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橙色色をしたその小さな花はひしめき合って咲き乱れ、豊かな淡い芳香とともに出迎え入れた季節を遠慮がちに告げてくる。
私は忙しく働いている羽虫と同じようにその豊かな淡い芳香に誘われ、庭へと踊り出た。
「今年もよく咲いた・・・」
私はポツリとそんなことを呟いてその橙色色をした小さな花にそっと指先だけで触れてみた。
嗚呼・・・私はまた・・・巡る季節の中に取り残されて生きている・・・。
私のこの命はいつ・・・散り去るのだろう?
私はいつ・・・。
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