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「見回りだ。此処に居るあのガキは普通じゃないからな」
蒼い目をしたそのモノはそう言うとクツクツと笑って鋭い牙を覗かせた。
「貴公がそこまで気に掛ける理由は本当にそれだけか?」
俺の問いにそのモノはクツクツと笑うのをやめるとザワリと空気を揺るがせ、まだ時期ではない雪を妖しくちらつかせた。
「詮索をするな。手前には関係のないことだろう」
俺は屋敷の様子を横目で窺い無遠慮な溜め息を吐き出した。
流石に気取られたか・・・。
「貴公と争うつもりは毛頭ない。しかし・・・雪に手を出すなら・・・話は別だがな」
俺はそう言ってその蒼い目をしたモノを睨め付け、その場を足早にあとにした。
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