1話 紫陽花の色がずっと好きでした

5/5
前へ
/5ページ
次へ
「あそこ、コスモスなんて久しぶりに見たなって思って」 僕が指をさした先のコスモスを彼女は何も言わず眺めていた しんとする秋の冷たい風が嫌だった 昨日まで動いていた電車のエアコンも今日はぴたりとやんでいた。 今日の平均気温は例年より5度も低いとニュースキャスターが言ってたのを思い出した。 「その格好寒くないですか?」 僕は思わず口に出してしまった。 それもそうだ、こんな寒い日に半袖の白いシャツ
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加