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「ぷぎゃーーん! わたあめ姫ーー!」
いつもの原っぱ公園の一角『森っこ広場』に彼女の姿をみつけたアタチは、シュタタタタと一も二もなく駆け寄っていく。
「チャーコちゃん、どうしたのふわ?」
雨の精霊わたあめ姫は、いっつも優しい。
「あのねあのね、いま五丁目のコンビニでサービスしてるクジ引き……アタチだけハズレだったプギ……。ヌコリンもチョメさんもまっちゃんイカ当てたのにーー!」
くすん、と蹄でまぶたを拭うと、ふわり小さな掌がアタチの頭に乗る。
「大丈夫ふわ。あのクジ引き、今週末までやってるって店員の小鳥遊さんが言ってたの。次はきっと、チャーコちゃんもまっちゃんイカ当てちゃうふわ」
「でも、クジ引くには駐車場のゴミ、12個拾わなきゃダメぷぎ……。みんなで拾ったからもう落ちてない……」
「それも大丈夫。明日には店員の田所さんがまた散らかすふわ。一緒に拾ってあげるから泣いちゃだめふわよ」
わたあめ姫にイイ仔イイ仔されると、ココロがなんとなく凪いでくるプギ。
「そっかぁ……うん、そうだね。アタチもう泣かないー♪」
にゃぱっとアタチが笑うと、わたあめ姫もふんわり笑ってくれる。アタチはわたあめ姫がだいすち♪
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