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「折角のいいお天気だから、庭で食べない?」
ニコラがそう提案したので、彼らはサンドウィッチの皿を庭のテーブルへと運んだ。庭にはいい具合に古びたテーブルと椅子があり、緑の傘の素敵なパラソルが、日陰を作っている。植え込みの茂みから、、つんとしたローズマリーの香りが仄かに香った。私は紅茶のポットと空のカップをトレイに乗せ、それから砂糖やミルク、スプーンも要ると思って、ちょっと忙しい気分になった。レモンは無かったので、フルーツのジャムを、小皿に盛った。
「ニコラがここに来たお祝に、この小瓶に、小さな草花でもいいから、お花が活けてあれば良かったのにねえ。」
本の整理で疲れ気味のルーシーは、手持ち無沙汰に、私が雑貨屋さんで気に入って買った、ソーダ水で出来ているみたいなアンティークガラスの小瓶をもてあそびながら言った。
「私が、ニコラが来る日を前もって知っていたら良かったんだけど。」
私はニコラにすまなそうに言って、微笑みかけた。ニコラは首を横に振りながら、
「僕には何よりこの、お手製のフィッシュバーガーが一番だよ。」
と言って微笑み返してくれた。ルーシーとニコラは美味しそうにフィッシュバーガーうぃお頬張り、私は紅茶に甘いジャムを溶かして飲んだ。
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