天才×凡人

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 き、す、して、る?  薔薇の、匂い。ぶわっと体温が高くなる。  次の瞬間、ふわ、とダンテの体を綿毛が包んだ。  唇が離れていくやいなや、リオンはばっ、と口もとを覆った。なに、いまのは、なに!? ダンテは平然としつつ、手のひらを冷静な顔で見ている。なぜ冷静? なぜじっと手を見る? 「……呪いが」 「え?」 「もう一回」 「え、ちょ、やだっ」  また近づいてきた顔にびくりとし、リオンは思わずダンテにばしゃりと水をかけた。
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