呪い×同居

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呪い×同居

「あの……大丈夫?」  リオンはカバンからタオルを出し、ダンテに差し出した。彼はタオルをひったくり、髪をわしわしと拭きながら、不機嫌な声で言った。 「まったく。いきなり水をかけるか、普通」 「あなたがあんなことするから」  ダンテはタオルを頭から外したあと、へくし、とくしゃみをする。 「うちは遠い。おまえのうちに連れて行け」  そんなことを言われ、最初は断ったのだが、俺が風邪を引いたらおまえのせいだ、劣等生のくせに生意気だ、と子供のようなことを言い募られ、仕方なく自宅に連れて来たのだ。  リオンが住むアパートを見たダンテは、「ボロい」「ショボい」「壁が薄い」と散々な評価をくだした。 確かに素敵というわけじゃないが、そこまで言わなくてもいいじゃないか。リオンはそう思ってむくれる。ロズウェルは名家だし、よほどの豪邸に住んでいるに違いない。  一人暮らしだから、ほんとは連れてきたくなかったんだけど……。リオンは、自室の鍵を開け、ダンテに入るよう促した。ダンテは室内に入ると、興味なさげに辺りを見回した。 紅い瞳と目が合い、どきりと心臓を鳴らす。先ほどのキスを思い出すと、頭の奥がぴりぴりした。キスしたのなんて、初めてだったのだ。 「お、お茶、淹れるから、座ってて」  ギクシャクしながら台所に向かい、マッチを擦ってコンロに火を入れる。やかんに水を入れて火にかけ、お湯が沸くのを待った。  ずらりと並んだ缶に目をやる。すべて、リオンが自分でブレンドしたオリジナルティーだ。  なんのお茶にしようかな。こないだ煎じたローズティーが……。  と、背後に気配を感じて振り返る。ダンテがじーっとこちらを見ていた。
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