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「だってあなた、元気だし……(ものすごく偉そうだし)、死ぬ運命だなんて、信じられない」
「今何か、失礼なことを考えただろう?」
そんなことない。図星をつかれたリオンは、小声でそう返す。
「まあ、おまえがどう思おうがどうでもいい。俺は明日からここに住む」
「あ、うん……!?」
いきなりなにを言い出したのかと、リオンは目を見開く。
「な、なんでそうなるの!?」
「実験だ。キスをし続ければ、呪いが解けるかもしれない。おまえが一人暮らしで都合がよかった」
「よくない! そんな、だ、だめだよ!」
リオンは、真っ赤な顔で首を振る。彼は目を細め、
「安心しろ。おまえに対して妙な気分になる確率は砂つぶほどもない」
「!?」
リオンは唖然とした。砂つぶって。なぜこんなに失礼かつ偉そうなのだ──お湯湧いてるぞ、と言われ、慌てて止める。彼は話は終わったとばかりに、さっさと席について、偉そうに足を組む。
「早く茶を淹れろ」
混乱しながらお茶を淹れたら、ダンテはそれを飲み干し、立ち上がった。
「じゃあな。また来る」
そう言って、さっさと出ていく。
「私は、いいって言ってないんだから!」
リオンはそう叫んだ。
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