天才×凡人

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 たしかに、ダンテは黙っていたらこの学院のどんな男子よりも素敵だ。漆黒の髪は艶めいていて、瞳はルビーのように紅い。彼の魔術花──プリティモと呼ばれる、個々の魔力を具現化した花──も相まって、薔薇の王子様、なんてあだ名があるくらいだし。 「でも、基本冷たいのよね。話しかけられてもにこりともしないし、告白されても誰とも付き合わないんですって」 「綺麗な薔薇には棘がある、ってやつよね。観賞用よ、ダンテは」  冷たいというより、意地悪なんだと思うけど、たしかにダンテは、近づきにくい雰囲気を持っている。からかってきたと思えば、突然冷めたような態度をとったり。それは彼の性質なのか、それとも、ロズウェルの血を継いでいるからなのだろうか。  ロズウェル。唯一赤い薔薇を使える血族だ。  この学院は、あらゆる地方から魔法の才能がある者たちが集まっている。魔法が使えるか否かは、生まれる前から決まっていて、それは「花」を持っているかどうかが関わっていた。ただ、「花」を持っていたとしても、リオンのような落ちこぼれもいるのだが。     
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