第2話 降りそそぐ結果とパラパラ納豆チャーハン

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 「にゃにゃーーん…」  背後で猫の声がする。  おばあたんが炊飯器の横に座っていた。  「ご飯まだだからいい子にできるね?」  「にゃ!…ヴァアアオ」  「どっちよその返事…」  夜はまん丸い目を険しく細めておばあたんは姿勢を正した。  あとでおやつをくれてやろうぞ猫よ。  ゆらゆらと揺れるしっぽは平和そのもの。  さてここからは仕上げだ。  納豆ひとパックを普通に付属のタレを入れて混ぜる。  そのままフライパンにダイブさせ、中火くらいで炒める。  それでも米はぱらぱらだ。  そもそも誰がどう調理したって炒めた玄米が団子になるはずはないと思う。  だからパラパラ主義者には冷凍玄米がおすすめだ。  あとは小分け袋の花カツオをひとつ開けて、納豆とまざったチャーハンにざざっとかけるだけ。    カツオの風味がふわりと口の中を泳ぎ、納豆がくせになる味を効かせる。  舌にやさしい控えめ味のパラパラ納豆チャーハン、完成。  「にゃにゃっ!」  「あなた後、わたしご飯」  「ンギャぁ……」  どうやらへそを曲げたらしいおばあたんがキッチンを去っていく。  これ食べたら午後も頑張りましょうか。  
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