第2話 降りそそぐ結果とパラパラ納豆チャーハン

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 つづくゆるろぐ更新の裏で、乃ノ家は一家のお荷物娘について深刻な話し合いが持たれていた。  "司法書士"  それは知名度は低いが難易度のそこそこ高い国家資格。  わかりやすく説明するならば土地の扱いに特化したプチ弁護士といったところだ。  私の非力な就職力にはこれくらい強い武器をカスタマイズしなければ駄目かもしれないという算段だった。  その資格取得という免罪符を手に、私は家事と学業にかこつけニートデイズを過ごしてきた。  しかし今となっては、その免罪符は失効。  資格試験だけでなく新人賞にも落ち続け。  これ以上ニートな日々を過ごすのは墓の下からルターさんを引きずり出さない限り…無理!  私、乃ノ太郎の大学卒業後のスケジュールはこうだ。  2年間、ライトなアルバイター  1年間、学業ニート  ここ半年、くそワナビ  ずぶずぶにニートと化した娘の体たらくに流石の 親も""ぷんぷん丸"の"てんさげ"だ。  当然なことに事態を重く見た乃ノ家は家長は、宣言した。  「とにかく頼むから動いて」  頭を抱えんばかりの父は大変不憫だ。  だが私の方も己の無力さに頭を抱え続けている。  その宣言から時は今に進む。  険しい顔の私はPCを見つめていた。  母校である大学のキャリアサポートのサイトがうす闇に光っている。  それに照らされた私の顔が青白さを増す。  ここに、連絡、すれば、相談に、のって…もらえ、る……?  心がカタコトの日本語で言う。  ホント、ニ…?  指が震える。  この異世界に通ずるという鉄の門、キャリアセンターがすでに恐怖。  しかしこれこそずぶずぶニートが課せられた本日の異世界(現実社会)へのアプローチミッション。  「ぐ…ぐっ…」  今までなにやってたんだこの女、と蔑まれたらどうしよう。  『紹介できるとこ?あると思いました?笑』  なんて言われたらだよね、としか思えない。  こんな年食った初心者いりませんよね!  あははっ!!  あはは、あは…は……あれ、おかしいな  これ、涙だ…  カタッ…カタッ…カタッ……    不安と恐怖をキーボードにゆっくり叩き込む。  
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