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第3話 恐怖のカメムシとイタリア風まつたけおじや
我が家の愛猫あばあたんには入室禁止の部屋がある。
つまり、私の部屋とリビングダイニング、風呂以外である。
というか私の部屋はすでにおばあたんの部屋と化しており、おばあたん様の部屋にわたくしめのベッドや家財道具を置かせていただいている状況だ。
しかし去年までは、おばあたんの入れぬ部屋などなかった。
彼女が人様の布団や衣類にうっかり粗相をするまでは。
実際私も掛け布団にやられたのだが、途方にくれる私の布団をコインランドリーで洗ってきたのは少々娘を甘やかしすぎな優しい父親だった。
よって一番労力と被害を強いられたのは結果、私でなく苦労人の父である。
その事件が三たびばかりあって以来、おばあたんは入室禁止令を賜ったわけである。
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