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「秋鹿、お昼にしましょうか、」
ハルが一階から秋鹿を呼ぶ。
「はい、今行きます」
銀河が肩に飛び乗った。
今日は土曜日で、午后から久坂が店にやって来る。少し緊張するけれど、とても愉しみだ。
「良い一日になりますように」
そっと、呟いて、階段を下りる。
「秋鹿、願いごとか?」
銀河が耳聡く訊ねる。
「そうだよ、願いごと。でも、絶対にそうなる予感がする」
願いが叶うから、人は幸せになるのではない。何かを願うこと、それ自体が、幸せなのだろう。それは、自分の内に、希望を持っている証なんだ。
銀河は髭を動かし、頷いた。
「俺もそう思う」
ハルの焼くパンケーキの甘い香りがした。
【 終わり 】
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最後まで読んで下さり、どうもありがとうございました!
秋鹿たちの物語はまだまだ続きます。
シリーズ一覧から『レモンタルトの午后3・さよならサヴァラン』へどうぞ。
またお会い出来ると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!
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