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「あと、お前のお姉さん、美人だよな。やさしいし。真賀田に似てた」
「姉さん?」
秋鹿は頸を傾げる。ハルのことだと判った途端に、笑い声が飛び出た。
「何かおかしなこと云ったか?」と、久坂はきょとんとする。
「なんだなんだ、一体何が面白いんだ?」
他の同級生たちが集まってくる。
その日、秋鹿は、みんなとたくさん話して、たくさん笑うことが出来た。
夜、秋鹿は夏紀の元へ電話をかけた。
「母さん、今度、友達が家に遊びにくるんだ」
「そう……。良かったわね、秋鹿。ちゃんと上手くやっているのね」
先日よりも、夏紀の声には丸みがある。落ち着いた様子で、秋鹿の言葉に耳を傾けてくれる。
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