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「どんなDVDなの?」 「ええっと、『アズライト皇国奇譚』って云う、アニメのよ」  秋鹿は携帯電話を取り落としそうになる。 「もうすぐあなたの誕生日でしょう。私からのプレゼントと一緒に、そっちに送るわね。それと、おばあちゃんに電話を替わってくれる?」 「わ、判った」  秋鹿はハルの処へ電話を持っていった。自分の部屋へ戻り、ふうと、息を吐く。 「秋鹿、どうした? 疲れたのか?」  ずっと秋鹿の頸に巻きついたままの銀河が訊いてくる。 「ううん、平気。ちょっと吃驚(びっくり)しただけ」  ハルの話す声が、かすかに聞こえてくる。
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