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「母さん、本当は、おばあちゃんのことが大好きなんだ」  銀河の背中を撫でる。なめらかな手触りは、自分の心をも撫でているような心地になる。 「じゃあ、そうやってハルに云えば良いじゃないか」  俺みたいに、と、銀河は云う。銀河はずっと、何度も秋鹿を好きだと云ってくれた。はじめのうち、秋鹿はその言葉に途惑ったけれども、今はとても嬉しい。 「そうだね。でも、いろんな感情が二人の間には在って、なかなか云えないみたい。いつかおばあちゃんに、母さんの気持ちが伝わると良いな」  ハルが秋鹿に電話を返しに来る。 「秋鹿によろしくと、云ってましたよ」 「うん、ありがとう、おばあちゃん」 「久坂君と仲直りが出来て善かったわね、秋鹿」  ハルも夏紀と仲直りが出来たのだろうか。翳りの無い、ゆったりとした表情をしている。おやすみなさいと云って、ハルは秋鹿の部屋を出ていった。
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