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銀河は項垂れた。
「けれど俺は、秋鹿の願いを叶えたい。俺はそう云うものなんだ」
でも、と、面を上げる。
「秋鹿が本当に俺に望むことだけ、叶えるようにする。何でもかんでもじゃなくて、秋鹿が心底、望むことだけ。それなら良いだろう、秋鹿」
「ありがとう、銀河」
秋鹿は銀河を抱きしめた。
「秋鹿、俺、どうして自分が秋鹿を好きなのか、判った」
「どうして?」
「秋鹿が俺を、見てくれたからだ」
それは秋鹿が、柊に云った言葉だった。秋鹿は笑った。自分の笑顔が、銀河の蒼い睛に、映った。
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