トリック?オア トリート?

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顔に血が上る。 「あれ?心拍数がえらく上がってない?しかも、なんか体熱い。 熱出てきたのかな?やっぱ薄着だったかな。 ………そこでちょっと診察する?」 あんた。 その優しげな眼差しで。 指差したところはホテルじゃない? 固まってしまってた私の口元に笑いが浮かぶ。 「ねえ、もう一回聞いていい?僕のこと好き?」 「…………好きかも」 「ほんとに?」 「多分」 「じゃあ誓ってよ」 「えっ?誓う?」 「そう」 回していた腕を解かれる。 瞬間よろけそうになったのは、もしかして今まで私、体を預けきっていたということ? いいえ、バランス崩しただけ。 認めない 認めない!こんな。 自分が、蕩けていたなんて。 そしてこの人、何で白衣のポケットまさぐってるんだろう。 「ふう、これこれ」 あ。それだ。 なぜか忘れきってたけど。 これがナースの誓いの証。何だってこんな大事な物忘れてたんだ私の馬鹿! 「ナースといえば、ナースキャップ。ただしこれは特別仕様」 でしょうね。 「レース付きですか」 「ベール付きです」 「私達がつけましょうかあ?」 「戴帽は最近しませんからねえ、病棟の師長くらいかなあ」 「訪問看護師は走ってなんぼ。心の中ではいつでもキャッピング」 そうそう。 へっ? はああ?     
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