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「ねえ、どれにする?」
「そうねえ、やっぱりこれかな」
「うっわ、まるっきり月9」
「今時こんなんじゃない?」
事務所のドアを開けた途端、同僚達のワイワイやってる声が耳に飛び込んで来る。
「賑やかね、何やってんの?」
「あ、ちーちゃんお帰り!」
皆がソファにぐちゃっと座って頭を付き合わせている。
どうやらテーブルに広げられたパンフレットについて討論してるみたいだ。
疲れたな。早く帰ってシャワー浴びたい。だけど今日の分の日報あるし。溜めるのも何だからやって帰ろう。
「ちーちゃんも加わってよ」
「え、何に?」
らんちゃんがパンフレットを持ち上げて私の目の高さでふりふりする。
「さっき管財課から、新しいナース服今日中に決めてほしいって電話あったの。ちーちゃんはどれがいい?」
ナース服かあ。
自分の胸元を見る。
「胸が入れば何でもいい」
「やっぱりかあ」
明るい笑い声が事務所内に響く。この部屋完全防音だから気楽でいいわ。
私が今着てるのは病棟時代から着ていたスタンドカラーのパンツタイプ。薄いブルーで、まあどこでも見かける奴よね。パンツタイプは動きやすいから大病院では定番だし。
「ところで今着てるやつは」
「今後は着るなって」
えーっっ!
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