4 戦いと憎しみ

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 そう言ったとたん、Mr.ハンバートの胸に針が刺さり、Mr.ハンバートはばたりと倒れました。  シーツの中から現れたのは、第四の無免許医でした。右手には麻酔銃を持ち、首からは高性能の小型スピーカーがぶら下がっていました。  AIが小屋の中に入ってきました。  AIはレーザーガンで無免許医を撃ちましたが、無免許医はピューマのようなすばらしい身のこなしで銃撃をかわし、AIの首のうしろにあるUSBポートに、USBメモリーを差しこみました。 そこにはAIを爆発させるウイルスが仕込まれていましたので、2体のAIは吹き飛んでしまいました。 「日頃のトレーニングのおかげだぜ」 無免許医は得意気にそう呟きました。 *  さてその頃、スノーホワイトは最新のアンチエイジンについて調べていました。  ホワイトアウトは、死んでしまった(と思い込んでいる)娘が自分より美しいと言った、AIの言葉をとても気にしていました。  天然の美人であることをほこりに思っているスノーホワイトは、整形手術によって美しくなった女たちをばかにしていました。けれど、時の流れに逆らって美を保つには、顔になんらかの処理をしなければなりません。 「アンチエイジングは整形じゃないわ。これは元々の美しさを保つためのもの。むしろ今の時代、していないのは貧乏人だけよ。そうよ!顔にメスを入れても、格が落ちるわけじゃない。なにもしなければ、BBAになるのよ。私の美しさが〝自然〟に失われるなんて、そんなの許さない!」  ホワイトアウトは美容整形のサイトを恐ろしい顔で見つめました。  美容整形のWebサイトには、   アンチエイジングは、元々の美しさを長持ちさせる為のメンテナンス!   健康を保つためにビタミンのサプリメントを飲みますよね?それと何もかわりません!  などということが、がすてきな写真とともに、美しい書体で書かれていました。
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