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5 命の終着点
地球に降り立ったスノーホワイトは、スペースシャトルの武器庫をさぐりました。
「森に入るのに丸腰では心もとないわ」
スノーホワイトはロケットランチャーを見つけました。グリズリーに襲われても一発で仕留めることができるというキャッチコピーが気に入って購入したものでした。
スノーホワイトはAIたちを森の入口で待機させると、奥へとすすんでいきました。
小屋の前にくると、子供たちが木陰で本を読んでいるのが見えました。子供たちは変装したスノーホワイトの姿をみると、ひそひそとささやきあいました。
「こわい人だ」
「こわい人きた」
「うわーん」
「みんな黙って。けとばされるよ」
スノーホワイトは思いました。
(どうやらこの無免許医は外見通りヒステリーもちみたいね。横暴な感じでやらないと不審に思われるわ)
スノーホワイトは小屋の戸を乱暴にあけました。
「ホワイトアウト!あんたのママがあんたを殺しにきた。ママの頭をロケットランチャーで木っ端微塵にしてやるから三十秒でしたくしな」
スノーホワイトはホワイトアウトを森から連れ出して、スペースシャトルに乗り込みました。
シャトルには見覚えのあるAIたちがいたので、ホワイトアウトははっとして窓から森を見ました。異変に気付いて追いかけてきた無免許医達が、森の入口からこちらを見つめています。ホワイトアウトは恐怖で気を失いそうになりながら、数を数えました。
「1、2,3,4,5,6,7。
1、2,3,4,5,6,7。
1、2,3,4,5,6,7。みんないるわ」
「じゃああなたは・・・」
スノーホワイトは変装をときました。
「ママ!」
「ホワイトアウト、今度こそ息の根をとめてやるわ」
スノーホワイトはホワイトアウトをガラスの棺におしこんで、毒ガスをオンにしました。ホワイトアウトは棺からでようともがいていましたが、やがて静かになりました。
スペースシャトルが飛び立ちました。
無免許医達はそれを呆然と眺め、森の中へ引き返しました。
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