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スノーホワイトは、背中にべっとりはりついた正体不明の不安をどうにかしたいと、アファーメーションに手を出したのですが、別にそんなことをわざわざしなくても、スノーホワイトはアファーメーションのようなものをすでに実践していたのです。
それはスノーホワイトが生まれ持った一つの才能と言っていいかもしれません。
「なりたい自分を強く念じれば、毎日がハッピーになるのよ。このいやな不安ともおさらばだわ」
スノーホワイトは、自分の無意識に語りかけました。
〝私は魔女の末裔。年はとらない。永遠に若く、誰よりも美しい〟
先天的アファーメーション×後天的アファーメーションはおそろしいほどの効果を発揮しました。
スノーホワイトの不安は地平線のかなたに消し飛びました。
夢のように美しく成長した娘の姿は、スノーホワイトの目にはブタと人間のあいのこ――ブタ人間にしか見えませんでした。
スノーホワイトのプライドはこの惑星でいちばん高い山よりも高くなり、その業はこの惑星でいちばん深い海溝よりも深くなりました。
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