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「何かスペースシャトルから出たな」
「ガラスの棺・・・あれはa●●le社製のコールドスリープ装置」
「ホワイトアウトはあの中だ!」
二人はスノーホワイトの船を追いかけるのをやめて、ホワイトアウトの棺をおいかけました。
やがて棺は冥王星のそばでとまりました。
そこには時空のくぼみがあり、宇宙にただよういろいろなものが流れ着く場所として、マニアの間で知られていました。
マニアと言っても様々なマニアがいますが、この場所に来るマニアは主にネクロフィリアでした。ネクロフィリアの目当ては、宇宙葬や事故などで、宇宙空間に放出された死体です。ネクロフィリアが死体をどうするのかと言うと、うーん、
愛の形は人間の数だけ
としかここに書くことはできません。
無免許医たちはこの宇宙の墓場にたどりつくと、ホワイトアウトの棺を回収しようとしましたが、なかなかうまくいきませんでした。
「旧式のロケットじゃだめか。外へ出て、直接もってくるしかねえな」
「私は絶対やりませんよ」
「しょうがないだろ。このオンボロットアームじゃ、猫いっぴきつかまえられない」
「猫はすばやいので最新式でもけっこう難しいと思いますよ」
無免許医達が困っていると、スターダストのような何かが遠くに見えました。それは流れ星のようなはやさで近づいてきて、無免許医たちの船の前でとまりました。
「おい、見ろよ!ついこの間、M●●●●●●●tが試験運転に成功した量子スペースシャトルだ!俺達を助けにきたのか、捕まえにきたのか、お前はどちらにかける?」
「私はかけ事はしません」
そのスペースシャトルに乗っていたのはM●●●●●●●tのエンジニアではなく、蟹パルサー内の亜空間からやってきたカニ王子でした。
「見かけない船だな。何を回収しようとしているんだ?」
王子はそう呟くと、棺の中を解析しました。解析結果は画像として返されました。それを見た王子は、
「なんて美しく新鮮な死体だろう!これは僕のものだ。誰にも渡さない」
と言いました。
言い忘れておりましたが、王子はもちろんネクロフィリアで、ここにきた目的もめぼしい死体をひろうためでした。
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