6 人の望みの底なしと恋

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 ガラスの棺を無免許医が開けると、カニ王子はたかぶった気持ちをおさえることができずに、ホワイトアウトにキスしました。  すると、なんということでしょう。  ホワイトアウトは目を開けました。  色を失っていた彼女のほほは、今や薔薇のようにいきいきと色づいています。  ホワイトアウトとカニ王子は見つめ合いました。  ホワイトアウトは今まで感じたことのない、不思議な思いで胸がいっぱいになりました。  しばらくしてカニ王子は顔をあげ、無免許医たちに言いました。 「この子は生きてる」  第四の無免許医は戸惑いながら答えました。 「ああ」 「こんなことってない。僕は死体が欲しかったんだ!」  王子の言葉にホワイトアウトはとても傷つきました。さめざめと泣くホワイトアウトを、無免許医たちはなぐさめました。 「お前さんの趣味がなんであろうと、自分から無理やりキスした少女にむかって、死ねと言うのはあんまりだろう」 「死ねなんて言っていない。ただその、あまりにも、その子が美しい死体だったから・・・死体のままなら良かったと、そう思っただけだ」  ホワイトアウトはカニ王子の言葉に、さらに深くきずついて、ほとんど叫ぶように自分の身に何が起こったのかまくしたてました。  カニ王子は変態でしたが、その性癖をのぞけばとても紳士的なカニ星人でした。  ホワイトアウトの話を聞いて、カニ王子はとても同情しました。 「なんて哀れな連中だ。よし。僕がかたきをとってやる。僕の家来の天才博士は何でもつくれる」  そう言って、オペレーターの、いいえ、天才博士の肩をたたきました。 「諸悪の根源たるスノーホワイトを見つけるマシーンもすぐにつくってくれるだろう。この船だってM●●●●●●●tが発表してからすぐに、博士がコピーしてくれた。●●-dosで制御しているから、博士がいなければ誰も船をあやつれない。今時●●-dosを知っているやつなんて余程のマニアしかいないからな」  ホワイトアウトと無免許医達は、カニ王子の星へむかいました。
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