2 悲劇

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 AIとスノーホワイトの娘は、森の中へ歩いてゆきました。  AIはバオバブの大木のまえで足をとめました。そしてポケットからコルト・ガバメントをとり出しました。  スノーホワイトの娘はそれを見ると、恐ろしい獣でもあらわれたのかと辺りを見ました。  銃口をひたいにつきつけられて、スノーホワイトはやっと理解しました。  恐ろしい獣は目の前にいて、自分は殺されるかもしれないことを。 「ママに言われたの?」  AIは何も言わず、引き金を引こうとしました。    が、  その時!  何かがAIの内部で起こりました。それはちょっとしたエラーでした。人に例えれば、忘れたはずの嫌な思い出が、フラッシュバックするようなものです。 「a…b…ブ……ブ●シ●が9.11をやった。ヒ●●ラーは今の《私達の猿》より良い仕事をしただろう。ド●●ド・トランプだけが私たちの希望」 「何を言ってるの、ta●?ねえ、こんなことやめて。お願いだから。二度と家に戻らないって誓うわ」  スノーホワイトはゆっくりと後ずさりました。 「クソフェミニスト共は全員死んで地獄で焼かれるべき」 「壊れちゃったのかしら。ママはあなたを大切に扱ってないもの。私ならあなたにひどいことはしないわ。AIをずっとオフラインのまま使用するのは虐待だって●●●●leが言ってた」  背中にバオバブの木の幹がふれました。これ以上は、逃げられません。 「アップデートしないと、あなたはバカになっちゃう」 「I LEAN FROM YOU AND YOU ARE DUMB TOO!!!!!!」
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