3 森の奥にひそむ者たち

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 小屋に入った無免許医たちは、血みどろの部屋におどろきました。  第一の無免許医は言いました。 「いすに血が」  第二の無免許医は言いました。 「お皿が割れてるわ」  第三の無免許医は言いました。 「パンにも血が」  第四の無免許医は言いました。 「フォークは純銀!血を拭き取れ」  第五の無免許医は言いました。 「ナイフはステンレスだから放っておいても良いよな」  第六の無免許医は言いました。 「コップも何個か割れてる」  第七の無免許医は思いました。 (掃除するの私かな。嫌だな)  そして夜になりました。  真っ赤な月が空に浮かび、ふくろうの鳴き声やヌエの口笛が森の中に響きました。  
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