3 森の奥にひそむ者たち

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 朝になりました。まぶしい光が小屋の中にさしました。  大きな鳥が小屋の窓辺でぎゃーぎゃー鳴いておりましたので、スノーホワイトの娘は、とてもいらいらしながら目を覚ました。 「うるさい!」  鳥はどこかへ飛んでいきました。    スノーホワイトの娘は水色のローブを着せられていました。  お腹の傷には包帯が巻かれていました。    スノーホワイトの娘は不思議そうに辺りを見回しました。    部屋のかどの天井から、何かがぶら下がっているのが見えたので、スノーホワイトの娘はぎょっとしました。  スノーホワイトの娘は、それが何なのか目をこらしてよく見ましたが、天井のすみは朝日があたらず夜のままでしたので、何がいるのかわかりません。 「フルーツバットだわ。図鑑で見た」 「おまえさんの名前はなんというのかな」 (フルーツバットはしゃべらないわ。あれはゴースト!)  スノーホワイトの娘は地球のお化けに食べられる前に小屋から逃げようと思いました。  ベッドから飛び起きると、傷がずきずき痛みだしたので、スノーホワイトの娘はその場に座り込んでしまいました。 「まだ歩けないだろう。おとなしく寝てろ」  天井にぶら下がっているものが再び口を開きました。  それはフルーツバットでもお化けでもなく、第四の無免許医でした。  彼は足をきたえるために、暇さえあれば適当な場所にぶら下がっていました。けれど、この世の中に、そんな変わった人間がいるなんて、スノーホワイトの娘は夢にも思いません。    スノーホワイトの娘が床をはって逃げようとすると、第四の無免許医はスノーホワイトの娘の足をつかんで、ベッドまで引きずり戻しました。 「寝てろって。あと、助けてやったんだから名前くらい言ったらどうだ?え?」 スノーホワイトの娘は、痛いのと怖いのとで、泣きながら答えました。 「わたしの名前はホワイトアウトです」
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