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え……と、ぽかんとしちゃった正男お兄さんの次に、わたしは二つ隣の厚美の方に体を向けます。
「アツミも……ご飯の時にも電話に出なきゃいけないほど、忙しいの?」
「……え?」
「スマホ、こっそり持ち込むにしても、せめて音を切ればいいのにって。少しくらい何かかかってきても、出なきゃいいのにって、マサミ、怒ってた」
――誰彼構わずいい顔してんじゃないわよ。その目のくまぐらい消してからにしたら?
厚美は几帳面なのかなあ。仕事のことはおろそかにしたくないし、だからスマホも始終持ち歩いてて、かかってきたら出ずにはいられないんだ。
まだ厚美、中学三年生の十五歳だよね。それってしんどい性格だと思う。
――あんたの『次』はいつに来るの?
「そんなに無理ばっかり、してたらダメだって……いつになったら、もう少し無理しないようにするのかって……マサミ、心配してる」
これはわたし、マサミお姉さんの気持ち、よくわかるよ。だってわたしの兄さんも、いつも無理ばっかりしてるヒトだから。
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