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「あのね、サトシ……みんなそれぞれ、忙しかったり、何も食べれなかったりなのに、どうしても一緒に、ご飯を食べないといけないの?」
「…………」
「みんなが絶対集まる夕食のままだと、元気になったナナも、一人だけ遠慮するのは寂しいよね。アツミやミキも、時間作るの大変みたいだし……マサミはみんなでご飯、嫌いじゃないよ。嫌いじゃないから……他のみんなは無理して集まってるのが、一番嫌なんだと思うよ」
――あんた達でしょ? それでいいから夕飯一緒にしようなんて、バカげた決まりに従ってるのは。
「食べれる時に、一緒に食べる……それじゃ、ダメなの?」
「棯……さん……」
「それはいつか、相談しないといけないことじゃない? みんな必ず、ちょっとずつ、違うヒトになっていくのに……」
――何でわざわざ、こんな茶番をいつまでも続けてるわけ?
それを、従わないマサミお姉さんが悪いって、正男お兄さんが責める先は違うと思ったんだ。
きっとそれは、玖堂さん達とも相談しないといけないことだよね。子供達だけで無闇に決まりを守ってても、解決しないことだと思うから。
そういうことを口に出してるの、マサミお姉さんが本当は一番、このご飯を大事にしてるからだと……思うんだけどな……。
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