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いいのかなあ、これ。わたし全部、推理じゃなくて、直観で言ってるだけなんだけど……探偵見習いとしてあんまりよろしくないなあ。
それでもとりあえず必死に、そこまで何とか言ったわたしに、美貴お姉さん以外は黙り込んじゃいました。
「あはははは! 探偵さん、ナイス! 私以外に正美の悪役語は解読不可能かと思ってたけど、そうでもなかったのね!」
美貴お姉さんは、最初からわかってたんだね。だからずっと、場を見守ってたんだ。
マサミお姉さんは多分、ものすっっごく、不器用だと思う……言ってることはそんなに間違ってないのに、反感しか買ってないんだもの……。
「じゃあ、マサミ姉は、ナナのことは……」
「ナナに無理に、ご飯来なくていいって、思ってると思う。でも今日はナナがいなくて、寂しくてイライラしたんじゃないのかな……」
こんな茶番、なくていい。そう言いながら、今日のナナみたいにさぼらずに、ちゃんと来るマサミお姉さんの行動の方が本音だよね。
って、わたしは思うんだけど……マサミお姉さんがいたら、否定するかもしれないなあ。自分でもよくわからずに、イラっと言っちゃうヒトに思える……ちょっと、損な性格なのかもしれないね。
最後に場をまとめたのは、今まで存在感を消してた春貴お兄さんでした。
「……喧嘩するほど、仲良きことは美しきかな」
……ううん? わたし、正直、よくわかりません。
ヘンなヒトだな、春貴お兄さん……。
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