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弟side
明後日、兄が処刑される。
僕はまた何も出来ないの?
いつもいつも兄に助けてもらっていたのに、恩返しすらできないの?
僕が何度言っても、周りの人達は聞いてくれない。
嫌だ。僕の大好きな兄が殺されるのは嫌だ。
なんで、なんで兄ばっかり嫌な目に遭わないといけないの・・・?
兄には、幸せでいて欲しいだけなのに・・・っ
『ならばその願い、我が叶えよう』
「っ・・・だ、誰・・・?」
姿は見えないのに、頭に声が響いてきた。
『我は魔王だ。我ならば、そなたの願いを叶えることができるぞ、神子よ』
「・・・本当に?
僕の兄は死ななくてすむの?」
『ああ。そなたの兄は我が預かろう。二日後に、迎えに行く』
「・・・ありがとう」
そういったが、返事は返ってこなかった。
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