6人が本棚に入れています
本棚に追加
兄side
とうとう、処刑の日になってしまった。
ギロチンか・・・?それとも首吊り・・・?
そう考えながら衛兵に急かされて前に進む。
・・・ギロチンか・・・なんか痛そうだな・・・
と、思っていると辺りが急に暗くなった。
そしてギロチンの上に一人の男が現れた。
『我は魔王である』
魔王・・・?ラスボスが何でここに?
『よく聞け。
きさま等に人間が今日死刑に掛けようとしているのは我の嫁だ。
身の程をわきまえろよ、人間風情が』
・・・嫁・・・・・・?
というか魔王の嫁だと余計に殺されるんじゃ・・・
そう思っていたが、俺の後ろにいた衛兵は頭を垂れた。
周りの皆もその状態だ。
・・・魔王ってすごいんだな。
『では行こうか、ソウマよ』
俺の名前を知っているのか。さすが魔王というべきか?
なんかあまり状況が読めないけど・・・死なないならいっか。
魔王は俺の腰に腕をまわし引き寄せた。
・・・つまり男に抱きしめられている状態だ。
恥ずかしいけど、魔王の力が強くて抜け出せそうにない。
大人しくしておくべきか・・・
急に視界が歪んだかと思えば、気付けば違う場所に立っていた。
・・・転移ってやつか?
『悪かったな』
「へ・・・?」
いや、急に謝られても・・・
最初のコメントを投稿しよう!